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Project of Gene Protection for Children



ログラムのしくみ

生物学的介入の効果
     
これは、「微量栄養成分の摂取による遺伝子防御効果」の評価システムを用いて生物学的介入をおこなうためのプログラムです。そのしくみをみてみましょう。

スタート時から差が生まれて行く
 ビタミンCとビタミンEを摂取した場合を例にとりましょう。
 下の棒グラフは、46歳時の測定結果です。高摂取では低摂取に比べて、突然変異が42%少ないという結果になっています。
 食物から摂取された防御成分の作用は、数日以内には発揮されますが、突然変異が蓄積されて違いがわかるようになりますので、効果が明らかになるには年単位の時間が必要です。
 ですが、生体内では日々の摂取により確実に違いが生じているのです。そしてこの違いが蓄積してグラフや数値で見えるようになるに過ぎません。日々の違いを作り出すことが重要なのです。

 この結果では高摂取で42%(58%減少)という大きな効果が測定されたのですが、もちろん短期間の結果ではありません。どれくらいの期間の努力の結果なのでしょうか。
 パイロットの訓練校に入ってからというのが、常識的なスタート時でしょう。それを20歳とすれば、その後の毎日の小さな差が蓄積されてゆき、46歳の時には一般平均との差がこのように広がったのです。
 20歳のスタート時点では同じと考えると、その後の減少効果は高摂取では77%となります。



どんな期間でも差が生まれている
 ある期間を切り取ってみましょう。

 プログラム実施中のどの期間であれ、その間に突然変異は図の紫(1)、水色(2)、赤(3)のバーで示された量だけ増加します。それぞれの線の傾きが増える量を表していますので、一週間、ひと月間、一年間、どんな期間をとっても、だいたいこのような比になるでしょう。(1)は平均の場合ですから、(2)(3)は平均の人より突然変異の増える量が少ない、つまり、その期間では一般平均より突然変異の増加が少なかったということです。
 これは1日という期間でも同様であるのは容易に想像できます。そうした毎日の積み重ねだけが結果に結びつくのです。

子供の場合
 これをもう少し現実的に、検査により被ばくした子供の場合で考えましょう。


 上の図では、8歳の頃に検査を受け、赤色で示したように青色ラインの一般平均より上にシフトしてしまいました。突然変異が増えたことにしていますが、現実にはほとんどの場合増えたりしません。が、中には増える人もいます。先に述べたように、このプログラムは「運悪く突然変異が増えてしまった場合でも、何とかする」ためのプログラムです。
 その後一般の人と同じような食事内容でしたので、突然変異のできるペースは同じで、増えた分はそのままに平行して進みました。

 2年後10歳の頃に一念発起して(一念発起するのはお母さんですが)、遺伝子防御プログラムをスタートしました。毎日意識して少し摂取量を増やしました。こうした努力のおかげで、その後の増加ペースが違ってきました。

 赤色(1)が一般平均と同じ場合です。中摂取(2)や高摂取(3)では傾きが緩くなり、増加ペースが遅くなります。時間が経つにつれ、赤色との差がどんどん広がっています。少し努力をして、一般平均より効果のある栄養素を多く摂取することで、遺伝子を防御する機能をアップしているからです。ここでは、例として中摂取、高摂取を示していますが、現実には、実際の摂取量から算出される傾きで進んで行きます。

 そうするうちに、赤色ラインから離れてきた高摂取(3)のラインが、一般平均の青色ラインに交わります。
 被ばくによって一度は上にシフトして差ができましたが、その差がなくなったのです。これは被ばくによる突然変異の増加分がなくなったということです。
 この時点で「一般平均との差をなくす」という目標が達成できましたので、終了です。これ以降の人生では、この検査による被ばく影響のことは一切考える必要がありません。


実際のシミュレーション

 では、実際のデータでシミュレーションをおこなってみましょう。

 これは10歳の時に胸部CT検査を受けて、実効線量3mSvの被ばくをした子供の例です。青色のラインは一般平均です。
 検査により、一般平均より3mSv上にシフトしました。その後通常の、すなわち一般平均的な食生活を送っていましたので、半年後のプログラムのスタート時には、3mSv上にシフトしたままです。もし、その後も平均的な生活を送っているなら、緑の点線のようにシフトしたまま人生は進んでいきます。

 この被ばく線量によって、遺伝子に突然変異が増加したかも知れません。この増加分が将来問題になる可能性あるので、その前に増加分を少しずつ減らして、完全に消してしまおうというのがこのプログラムです。
 ポイントは、被ばくして増えた突然変異をその後の日常で増える分から減らすということです。突然変異を線量に換算しておこないます。


 さて、プログラムのスタート後の様子を見てみましょう。

 一念発起して、その後有効な摂取を続けました。有効な摂取量というのは、一般平均より多く、効果が期待できる上限値より少ない摂取量のことです。
 毎日の食事による摂取量を入力するごとに、防御効果の大きさ、すなわち低減分、が計算され、線量に換算されてこのようにプロットされていきます。

 スタートから8か月後の結果は、初期線量の3mSvから0.737mSv分が低減されて、現在の残り線量は2.263mSvとなっています。このペースなら、24.6か月後には残り線量がゼロとなり終了です。あと2年です。効果が期待できる上限値の摂取を継続した訳ではありませんが、一般平均より良い摂取を継続したため、少しずつ差が縮まりました。これくらいのペースの効果を得るには、それほど頑張らなくてもいいのです。




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