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栄養成分のがんの抑制効果については多くの調査データがあります。がんという結果が大きな関心事だからです。
微量栄養成分の摂取と突然変異の発生に関する調査データは多いのですが、日常の食生活との関連を示すデータは限られます。
その中で、重要なデータが二つあります。(TL、MN)いずれもがんの指標となる。これらはともに食生活の調査。したがって、食事からの摂取。MNは一般人。
これらの調査からわかる重要な内容は、FVの摂取は、サプリメントではなく食事からおこなっていること、そして、何年にもわたる食生活が効果を生み出していることです。
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パイロットは健康集団 逆に遅い人々もいます。良い例は、航空機パイロットなどの
コックピット(操縦室)乗務員
操縦士、副操縦士、航空機関士、航空通信士、航空士など、操縦室に乗務する技術者の総称。現在は、操縦士と副操縦士の2名だけの乗務が多いが、かつては数名が乗務した。
です。 (ここではパイロットと呼びます) パイロットは、一般人よりはるかに健康な人々です。
最近発表されたパイロットの追跡調査の結果では、 全がん0.69、主な部位のがんで、食道がん0.56、胃がん0.39、肺がん0.50、腎臓がん0.53などとなっています。 詳細はリンクでごらんください。 |
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がんに関しては、IARCが発表している野菜果物の効果があると考えられる部位と一致しているのは偶然ではないのかもしれません。(大腸がん、肝臓がんも有意でないが、低下しています) とにかく、どの観点からみても、パイロットは死亡率が低いのです。このように死亡率が低い理由は、健全なライフスタイルです。 91%のパイロットが生涯で50mSv以下の被ばくをしています。普通なら一般人より がんになりやすいと言えますが、健康維持の努力というプラスが被ばくによるマイナスを大きく凌いでいるために、結果としてがんをはじめとするほとんどの原因による死亡率が低く保たれているのです。
これは、少しなら被ばくすることが健康にいい、というような話ではありません。生物学的な根拠のある内容です。
「ちゃんとした仕事に就いている人は、生活が健全になるため、一般大衆の平均よりは死亡率などが低くなる」という
「健康労働者効果」疫学調査では、ある仕事をしている人々(調査群)が一般大衆(対照群)より死亡率などが低くなることがあるが、その理由の一つとして、仕事をしている人は一般大衆より基本的に健康である、ということが考えられる。には違いありませんが、パイロットの場合は、それを遥かに超えて、その生活じたいが研究の対象となるぐらいに生物学的に確かな理由がある生活をし、その結果健康なのです。 これらの結果から、健康になるにはパイロットを見習えばいいというのも確かですが、私たちの目的は、遺伝子の突然変異を減らすことです。
パイロットの突然変異は少ない |
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このTLというのは、以前にも出てきましたが、私たちが普通に生活しているだけでも増えていきます。私たちの普通の日常生活で突然変異が増えていくという証拠のひとつです。 一般人のTL=0.5~0.7 /100CE(細胞100個分の染色体あたり)のところ、パイロット集団は、0.37です。(Yong, Occup Environ Med. 2009 January ; 66(1): 56-62) パイロットの突然変異の数は、一般の人々に比べて6割ぐらいに抑えられています。(対照群の大学教員も同じくらいに低いのですが、パイロットは、「その他に宇宙線被ばくもあるにもかかわらず」低く抑えられているのです。)
次に、内容をもう少し詳しく見てみましょう。 食生活が突然変異の数に影響するかどうかが調査されました。
パイロットの食生活が鍵 結果はこのようになりました。
パイロットのデータが私たちに示しているのは、
ということなのです。 一般人も食生活が重要 |
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いろいろな栄養素の作用を測定していますが、その中でこれらの栄養素に有意な効果が見られました。この調査も上のパイロットの調査と同じ「通常の食事内容を記録する」という手法でおこなっていますが、短い期間でおこなわれる通常の大量投与実験では検出できない、何年何十年もの間の現実の「日常的な摂取の作用」を見ることができる理想的な調査のひとつかも知れません。
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日常の食生活データの重要性 |
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これらは、人々の日常的な食事内容から、栄養素の作用を検出する手法によって得られたデータです。栄養素や抗酸化物質によるDNA修復機能に対する効果については、多くの研究データがあります。それらによって私たちは食品に含まれる微量栄養素の遺伝子防御の可能性の知見を得る事ができたのですが、実際には、きれいな効果を示すデータは多いわけではありません。それにもかかわらず、研究者は明確な防御作用があると考えています。 なぜ、必ずしもいつでも効果があるわけではないのか? もう一つの理由は、調査は科学的先進国で行われるためでしょう。先進国では栄養状況がよく平均摂取量はかなり高くなる一方、栄養素の効果には必ず摂取量の上限がありますので、非常に狭い幅の中での効果をみることになります。 したがって、もし日常の食材の摂取による栄養素の効果を見るためには、非常に長い期間の調査が必要になるのです。さらに、がんを含めて遺伝子の突然変異の問題に介入するというのは人生そのものに介入することです。つまり、これは実験ではなく、生活そのものでなければなりません。 このプログラムを有効にするための条件 2) パイロットは一般平均より健康状態、食事内容、いずれも良い人々です。防御機能はこれらの防御成分だけで成り立っている訳はありません。防御成分以外の栄養成分も含めて、からだの代謝のしくみじたいが健全に機能して初めて防御力を高めることができているのです。 |
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