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The Japan Association for Low Radiation




フロント私たちにできること何かをしなければ


休めでない何かをしなければ

それはついにやってきた
 低放射線リスクはいつになったら解決するのかあまり期待もできませんでした。
 これまで100mSv以下での低線量のがんリスクは多くの研究者が想定し、UNSCEARやNCRP(BEIR報告)でさえそれは十分に考えられると認めていましたが、疫学的な証拠がないために仮説に留まっていました。



 何しろ10mSvぐらいのリスクは、有意差を検出するには数十万人以上の疫学調査が必要だとわかっていましたので、そもそも10mSvのリスクの検出などできるのかどうか、できるとしてもあと何年も先のことだろうと考えていました。。


 ところがそれがついにやってきました。それも数年の間に10報以上も出現したのです。
 結論ではありません。多くのデータが同じような結果を示しているということに過ぎないかも知れません。
 しかしこれが真実なら、同じようなことが今この瞬間にも起こっているのです。それを私たちは知らなかっただけで、体の中ではずっと前から起こっていたわけです。

 リスクがあるということは、確かに被ばくした体の中で放射線がその方向に作用していること、そして、ある割合の人々には、その結果がいずれ現れることを意味します。これまで言われてきたような「おそらくリスクはないだろうが、もしあると仮定すると・・・」というような、言う方も聞く方ものんきな話ではないことを意味します。
 しかし、だからと言って放射線を特に怖がる必要はありません。単なる科学技術の一つですから、リスクがあるのは当然なのです。それがはっきりとはわからなかったというに過ぎません。今でもはっきりと分かったわけではありませんが、その可能性が高くなったということは言えるでしょう。


慌てました
 同時に、非常に低い線量(数mSv〜数十mSv)で、被ばくリスク、それも子供のリスクが疫学的に示されたことに慌てました。

 なぜなら、日本で毎年CTを受ける子供達が120万人もいるのです。福島にはすでにそのような被ばくをしている子供たちが何十万人もいるのです。
 CTデータの被ばく条件は日本でCT検査を受けた子供達の条件と同じですし、自然放射線の被ばく条件は福島県での実際の被ばくに近いのです。データと同じようなことが起こる可能性は否定できません。
 これらのデータは十分すぎるぐらいインパクトがありました。

 被ばく影響を受けるのが誰かわからないとは言え、そしていずれ大人になればそのリスクなどわからなくなるぐらいみんながんになるとは言え、何十人、何百人かは、被ばくしなければがんにならなかったのに、被ばくしたせいでがんになり、半数がそのせいで命を落とすかも知れないということが、それほど不確かでない数字になるのです。
 気休めでない何かをしなければなりません。

 これが私たちが本協会を設立し、遺伝子防御プロジェクトを実施することになった理由です。

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日本低放射線協会について
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