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Project of Gene Protection for Children



伝子防御力の高い栄養成分

防御成分
     

 この結果は、これまで多くの基礎的な研究で示されてきた内容(微量栄養成分の摂取によってDNAの突然変異が抑制される)をヒトの集団で実際に証明したものだと言えます。

 では、こうした効果を生み出したそれぞれの栄養成分の生体作用を見てみましょう。

       
防御力の高い8栄養成分の作用

それぞれの栄養成分の防御作用を見てみましょう。

突然変異の抑制は、変異原の低下、活性種の低下、修復機能の向上という3段階で考えることができます。

  1. 変異原の低下は、被ばくの低下や発がん物質の摂取の低下。(放射線の場合、被ばく線量を低下させること)
  2. 活性種の低下は、変異原から派生して実際に遺伝子を攻撃する活性種を捕捉して低下させること。(放射線の場合、細胞内で発生するヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種を捕捉すること)
  3. 修復機能の向上により、DNAの損傷が突然変異になるのを止める。

 この中で、変異原(発がん物質)を生活から減らすのは生活の質を低下させることになりますので、生体内でのDNA防御機能の向上により、2と3の段階で防御します。
 プログラムの8成分である、ビタミンC(vc)、ビタミンE(ve)、ベータカロテン(bc)、ベータクリプトキサンチン(xn)、葉酸(fol)、カルシウム(cal)、ビタミンA(ret)、ナイアシン(ncn)が作用する段階と作用内容は以下のようです。

 成分 段階  作用
 ビタミンC  抗酸化作用/活性種捕捉、GSH保護
 ビタミンE  抗酸化作用/活性種捕捉
 ベータカロテン
 抗酸化作用/活性種捕捉
 修復機能アップ?
 ベータクリプトキサンチン
 抗酸化作用/活性種捕捉
 DNA修復機能
 葉酸  DNA保護機能
 カルシウム  DNA修復機能
 ビタミンA  抗酸化作用/活性種捕捉
 ナイアシン  DNA修復機能

通常の日常生活で変異が発生する原因は、以下のようなものです。

  1. 正常な代謝活動(ミトコンドリアからの活性酸素/DNA複製時のミス)
  2. 生活因子(飲食物、薬、感染症など)
  3. 環境因子(紫外線、大気汚染物質、自然放射線など)
原因  防御  対処
 ミトコンドリア活性酸素  抗酸化系  修復系
 DNA複製時のミス (変異原なし)  修復系
 生活因子/環境因子  抗酸化系・解毒系  修復系

 

抗酸化系とDNA修復系の活性化により、これらの日常生活における防御はほとんどがカバーできます。

 ここで、突然変異の抑制には、これらの成分を十分に摂取しておけばいいのかというと、そうではありません。 これらの防御成分は重要ですが、その作用を発揮するには、細胞が十分に機能している必要があるのは言うまでもありません。すべての栄養成分の十分な摂取が必要です。
 防御成分を多く含む、そしてバランスの良い食事、当たり前のようですが、それが必須だと言えます。しかし、実際にはこの当たり前のことが達成できていません。
 この生物学的介入プログラムが成り立つのは、改善の余地が、それも大きな余地があるからなのです。

 人間以外の生物ではこの余地がありません。人間は生物としては勝手な(体の本来のしくみからかけ離れた)生き方をしているからこそ、改善の余地があり、それを利用して過去のマイナスを取り戻すことが可能になるのです。

 ここで、このことが現実に可能である事実を見てみましょう。このグラフは、12〜14歳と40〜49歳の男性の一般平均の栄養成分の摂取状況(2019年)です。

 赤色線が推奨量、青色線が平均摂取量、緑色線がDNA防御効果に有効な最大摂取量です。
 この一般平均の青色線と最大効果の緑色線の間がこの介入の余地になるのです。

 ほとんどの年代で栄養摂取状況は悪いと言えます。12〜14歳ですでに摂取の最も悪い年代に近い同じレベルの摂取になっています。栄養摂取が全く不十分なのです。
 栄養成分の摂取が低下すれば、防御が低下し、結果として突然変異が増えることになります。これは、私たちの体で突然変異が増え続けているという事実の一因かも知れません。

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